料理の上手下手にかかわらず、「今日のごはんは何にしよう」と考えるのはたいへん。仕事のあとで買い物して帰ると、からだもですが、頭がヘトヘトになっているんですよね。
私がスープを作りはじめたのは、朝食のためでした。でも、スープが毎日の習慣になるにつれ、不思議と夜ごはんの支度もラクに決まるようになってきました。
帰宅したらまず炊飯器のスイッチを入れて、それからありあわせの野菜でスープを仕込んでしまいます。
たっぷり野菜の入ったスープがあることで気持ちがすーっとラクになれるのが、スープの大きな効用です。具だくさんのスープならそれだけで充分な場合もあるし、でき合いの惣菜を足したり、もう一品作る日もあります。
炒め物や焼き物、揚げ物に比べ、スープはずっと簡単で失敗の少ない料理です。水に具と塩を入れてコトコト煮込みさえすればできてしまいます。旬の野菜ならそれだけでごちそうです。
そして、少し手をかけて炒めたり蒸し煮したりすれば、さらなるおいしさに最短距離でたどりつけます。短い時間でも、ありふれた食材でも大丈夫。
量が足りないときは水を加えればいいし、食べてちょっと味が薄ければ塩をふって調節してもいい。作り手の力量も食べ手の好みも受け止めてくれるおおらかさが、家で作るスープの最大の魅力ではないかと思うのです。