いち早く西洋野菜を取り入れ、広大な大地ではじゃがいもや玉ねぎなどの栽培が行われています。漁業はもちろん畜産も盛ん。酪農も日本一の規模で、牛乳やバター料理も豊富。
冬が長く雪が多い地域。からだを温める煮物や鍋料理がよく作られ、保存食として漬け物も発展しました。米どころも多い地方です。
温暖で雪が少なく、一年を通して野菜や麦が栽培されてきました。東京湾の魚介を生かして江戸前のすし、天ぷら、佃煮も名物に。早くからのりの養殖にも取り組み、のり巻きも広まりました。
温暖な太平洋側では農業が盛ん。この地域では「豆みそ」が親しまれています。うまみが強く、うどんやおでんなどの煮込み料理にも使われています。冷涼な山間部では米は貴重だったため、小麦やそば粉を使った料理が食べられてきました。
都がおかれた京都、物流の拠点である大阪は、全国から食材が集まり、食文化の先進地として発展しました。昆布などだしを大切にしています。また、行事食が家庭や地域に伝えられて残っている一方、手ごろでおいしい飲食店が多いのも特徴。
温暖な気候で一年中魚介を楽しむことができ、郷土料理にもかきなど海の幸を生かしたものが。日本海側では夏の高温と砂地を利用したらっきょう、なしの栽培が有名です。
海の幸が豊富。山間部は日本有数の柑橘の生産地で、ゆずやすだちなども出荷されています。香川県では小麦の栽培が活発だったことから、うどんが有名に。
平均気温が高い地域。古くから外交が行われ、西洋や中国の影響を受けた料理が残っています。農業や漁業に加え、畜産も盛んで、から揚げなど人気料理の発祥地です。
琉球王朝時代に宮廷料理が生まれ、独自の食文化を育みました。暑い地域なので食べ物の保存性を高めるため、炒め物や揚げ物が多いのが特徴。豚肉や豆腐が好まれています。
料理研究家、栄養士。大学で食文化や調理学の非常勤講師を務める。地方企業の商品開発をきっかけに地域の食に関心を持ち、全国のJAのお母さんたちと料理教室や講演で交流をしながら郷土料理について学ぶ。47都道府県の食に関する教科書を執筆編集するなど、食文化の研究を続けている。著書に共著『塩分一日6gの健康献立―減塩するならこの一冊』(女子栄養大学出版部)ほか。